大変だった就活を終えて、やっと社会人の仲間入りをした4月。企業内新人研修などで、この1カ月はあっというまに過ぎていきます。
この1カ月を過ぎると待ちにまった給料日がやって来るのです。初任給です。しかし給料明細書の合計金額をみて、最初に思うのが金額がすくないのでは?そうです手取りと支給額の差なのです。
ではその仕組みと業種別・年齢別に初任給を検証してみます。
総支給額と手取り
社会人となって初めての給料は考え深いものがあります。緊張感の中で慣れない仕事や縦社会のストレスを受けてやっと手にした給料です。
しかし、その額面をみてびっくりする新卒者がほとんどです。会社説明会の時の給料の額と違う!と叫ぶ人も多い事でしょう。
総支給額または額面と言われるものは、税金や保険料を支払う前の金額です。会社が給料を支払う時、同時に税金などを給料から本人の代わりに収めてくれているのです。
雇用保険・健康保険・厚生年金・所得税等が引かれています。
手取りとは総支給額から税金などを引かれて残った金額と言う事になります。新卒者の納税額・保険額は概ね3~4万円くらいです。
新卒者の手取り額はどのくらい?
初任給の全国平均は大卒者が19万円 高卒者が15万円となっています。
これは総支給額の平均なので、そこから税金・保険を差し引き残った額が 大卒者で15~16万円 高卒者で11万~12万円と言う事になります。
これはあくまで平均値ですからこれ以上もらっている人もいれば、これより少ない金額の人もいるわけです。
業種別の初任給
日本にはさまざまな職業・業種があります。業種別の給料はどの様な違いがあるのでしょうか?業種別に新卒者の平均値を紹介します。
(総支給額)
- 製造業・・・大卒 約19万5千円 高卒 約15万5千円
- 建設業・・・大卒 約19万円 高卒 約16万円
- 情報通信業・大卒 約20万5千円 高卒 約15万5千円
- 運輸業・・・大卒 約19万円 高卒 約15万5千円
- 小売業・・・大卒 約19万5千円 高卒 約15万5千円
- 金融業・・・大卒 約18万5千円 高卒 約14万円
- 医療福祉業・大卒 約18万5千円 高卒 約14万5千円
- 学習支援業・大卒 約19万5千円 高卒 約14万5千円
主だった業種ごとに表示してみました。
大卒はやはり平均19万 高卒は15万と言った所です。金融業と医療福祉業が平均値を割り込む低めの設定になっているのが分かります。
石油業は大卒で平均23~24万円と言われております。ここには出ていませんがインフラ整備関係は技術の差があるため、新卒者は初任給こそ低いものの、中高年になると一気に給料が跳ね上がる傾向になっています。
また、どの業界も男女での賃金格差は5千円~1万円の開きが確認できます。
これは、総支給額の金額ですので、実際の手取りは先ほど記した3~4万円を差し引いた金額になります。
まとめ
総支給額と手取りの関係を紹介してきましたが、大卒者と高卒者では約4万~5万円の開きがある事がわかります。年間にして約60万円以上の差となっています。
これは初任給をベースにした金額ですが、勤続年数が経つにつれその格差は年々大きくなって行きます。定年まで同じ会社に勤めることを考えた場合、大卒者が有利になります。
高卒で就職せず、大学に進学する事で、大学での学費、その他の費用がかかりますが、それを差し引いても、高卒で就職するよりか大卒で就職した方が生涯獲得賃金はうわまわります。
また、就職する時も初任給の高低だけで判断するのは間違いで、トータル金額を考えて就職先を見つけるのが一番です。